代表質問⑥「主権者教育」
<波田質問>
最後に、主権者教育についてお伺いをたします。
平成 27 年6月の公職選挙法改正により、選挙権年齢が「20 歳以上」から「18 歳以上」へと引き下げられ、特に高校生を対象とした主権者教育の重要性が高まっております。
しかしながら、直近に行われた令和5年4月9日執行の統一地方選挙におきましても、札幌市の標準投票区における知事選挙の10代の投票率は約34%、20代の投票率は30%を下回るなど、全世代の投票率51.21%との比較においても、やはり若年層の投票率の低さは顕著で、大きな課題であると認識しております。
そのような中、札幌市選挙管理委員会では、令和3年9月に高校生を対象とした「新たなせんきょ体験授業」の創出のため、プロジェクトチームを立ち上げ、市立札幌清田高校でのモデル実践を経て、令和4年2月に検討報告書をまとめたところです。
この検討報告書によりますと、「新たなせんきょ体験授業」では、実際の政党の政策比較一覧などを用いながら、投票先を決めるための自分なりの選択基準を持ち、最後には模擬投票を行うなど、非常に実践的な内容となっております。
一方で、政治的中立性の確保の観点から、生徒同士で議論を交わしたり、グループ発表を行う等の内容が盛り込まれていないことについては、やはりもの足りなさを感じるところでございまして、この点については、検討報告書の中でも「実施主体である選管において、実際の選挙公報等を題材とした主権者教育の経験やノウハウが不足していることから、合意形成を体感してもらう授業の実践については、当面、将来的課題とする」と総括されているところです。
何より、この「新たなせんきょ体験授業」については、学校側の授業のコマ数確保や授業を行う専門的人材の確保といった課題があり、モデル校での実施以降、実際の授業では未だ実践に至っていないという、極めて残念な現状にございます。
私としては、せっかく創り上げたこの「新たなせんきょ体験授業」が、多くの学校において取り上げられるよう、選挙管理委員会に実施内容の工夫を期待するとともに、学校側においても、この授業をはじめ、関係機関が行う様々な取り組みを視野に置きながら、主権者教育を進めて頂きたいと考えているところでございます。
主権者教育の先進的な取り組みが注目される神奈川県では、主権者教育の専門家が座長を担うプロジェクト会議を立ち上げ、教育指導用参考資料を作成するなど、重点的に取り組んでおります。
特に、藤沢市では、このプロジェクトの一環として、市議会議員が高校の授業に参加して高校生の「陳情づくり」に協力し、高校生が実際の市議会に提出した陳情が「趣旨了承」となるなど、市民としての当事者意識を育むための、より実践的な取組が行われているところです。
札幌市においては、社会科等において、生徒同士で議論を交わして合意形成を図りながら学習を進めるなど、日々、各学校において取り組んでいると認識しておりますが、より一層、実践的な主権者教育を推進するに当たっては、ゲストティーチャー等の専門的人材を活用するなど、社会全体で進めることが不可欠であると考えます。
そこでお伺いいたします。札幌市においても、主権者教育の専門家の知見も拝借しながら取り組みを進めていくことが重要と考えますが、札幌市が目指す主権者教育に関する取り組みの方向性について、教育長のお考えをお聞かせ願います。
<檜田教育長の答弁>
〇主権者に関する教育については、これまでも各学校において、小学校から高等学校までの発達の段階を踏まえ、学習指導要領に基づき、政治的中立性を確保しながら、教科での学びだけでなく、児童会や生徒会活動などを通して進めてきたところ。
〇しかしながら、今後ますます予測が難しい社会において、子どもが主権者として自立していくためには、知識を習得するだけでなく、他者と連携・協働しながら、学校や地域等の課題を主体的に解決していく力を育むことが重要と認識。
〇そのため、札幌市では、子どもたちがよりよい学校づくりについて、自主的・自発的に考え、対話による合意形成を図りながら取り組む「さっぽろっ子自治的な活動」を推進するなど、主権者に関する教育の充実を図っているところ。
〇今後は、コミュニティ・スクールの仕組みを活用しながら、子どもが多様な人と関わり、社会の構成員の一人として思いや願いを実現していく経験を積み重ねる機会を増やすなどして、持続可能な社会の発展に向けて行動する「自立した札幌人」の育成に努めてまいる。
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