活動報告

議会

札幌ドーム(大和ハウスプレミストドーム)の今後の経営(令和7年10月21日 決算特別委員会 スポーツ局)

10/21(火)、札幌市議会 決算特別委員会(スポーツ局)で「札幌ドームの今後の経営」について質問しました。

札幌ドームを管理運営する株式会社札幌ドームの決算は、前年度の約6億5,000万円の赤字から一転し、約4,200万円の黒字となりましたが、札幌市からの公金の支出は大幅に増えている現状にあります。
見かけ上の黒字決算によって、札幌ドームの経営問題は解決したかのように見せる手法は、市民の皆さんに対して誠実ではないと指摘した上で、民間活力による管理運営手法の抜本的な見直しを早急に検討頂くよう要望しました。

<波田質問>

私からは、「大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)」の今後の経営についてお伺い致します。

ドームを管理運営する株式会社札幌ドームの2025 年 3 月期決算は、前年度の約6億5,000万円の赤字から一転し、約4,200万円の黒字となっております。
一方で、札幌市の令和6年度決算では、「札幌ドームアマチュア大会利用料金減免補塡補助金」として1億6,700万円が支出され、前年度と比べて約8,300万円の増額となっている他、「札幌ドーム活用促進費」として新たに6,000万円が支出されており、これらの財源として、これまで同社が利益還元として札幌市に寄付を行ってきた「スポーツ振興基金」を充てているとのことです。

このような公金の支出は、同社の決算を黒字化することが目的ではないとのことですが、結果として、同社の決算が黒字になり、札幌ドームの経営問題は解決したかのように見せる手法は、市民の皆さんに対して誠実ではないものと受け止めております。

株式会社札幌ドームには、まだ内部留保が15億円以上も残っている中、公金を支出する前に、まずは内部留保を活用すべきと考えますが、令和7年2月26日の経済観光委員会では、「アマチュア大会利用料金減免補塡補助金」に関する議論の中で、スポーツ部長からは「内部留保の活用も、スポーツ振興基金の活用も、これまでの株式会社札幌ドームの利益から生じているものという点では同じ」との見解が示されております。
たしかに、その通りではありますが、一方で、利益の還元とは言え、一度は「スポーツ振興基金」に寄付を行った以上、やはり基金は広く市民のための「スポーツの振興」の目的のために使用されるべきと考えております。

そもそも、札幌市基金条例の第2条第15号では、「スポーツ振興基金」の設置目的について「スポーツの振興に資する」と定められております。
一方で、令和6年度決算における「札幌ドーム活用促進費」6,000万円については、花火大会などスポーツとは関連の無い新規開催イベントに対する助成にもスポーツ振興基金が充てられ、更に令和7年度には平日に開催するスポーツとは関連の無いイベントに対する助成にも、スポーツ振興基金が充てられるとのことであります。

このような「スポーツ振興」とは直接的に関連の無いイベント主催者に対して助成を行うことは、「スポーツの振興に資する」という条例で定められた基金の設置目的とは、かけ離れたものであると受け止めております。

そこで、質問ですが、財源として「スポーツ振興基金」を充てている「札幌ドーム活用促進費」の決算額6,000万円について、具体的にどのようなイベントに助成が行われたのかお伺い致します。
また、スポーツとは直接的に関連のないイベントの新規開催や平日開催の助成に「スポーツ振興基金」を活用することは、基金の設置目的である「スポーツの振興に資する」ものとは乖離していると考えますが、ご認識をお伺い致します。

<答弁の趣旨>
・令和6年度の助成の対象は、「さっぽろスノースポーツパーク」、「真夏の汗激フェス」、「道新秋華火」、「トミカ博inSAPPORO」の4イベント。
・新規イベントや平日イベントへの支援は、スポーツ振興の拠点施設であるプレミストドームの活用を促進し、日常的な賑わいを創出することを目指すもの。
・この支援により、新たなスポーツイベントの開催につながるとともに、その他のイベントも含め、多くの方にプレミストドームを訪れていただき、市民にとってドームがより身近な存在となることで、ドームで開催するスポーツイベントへの関心も高まり、来場者の増加も期待できることから、スポーツ振興にも資する取組であると考えている。

<波田質問>

例えば花火大会については、「札幌ドーム活用促進費」による1,000万円の助成を受けて、新規イベントとして昨年初めて開催されましたが、その実施結果を踏まえて、今年9月には助成を受けることなく第2回目の開催に至ったことを踏まえますと、初回利用時には利用料金をある程度割引して、まずはお試しで利用して頂くという取り組みについては、一定の成果があったものと受け止めております。

問題は、その初回利用時の割引を、なぜ札幌市が助成する必要があるのかという点であり、ましてや、スポーツとは直接的に関連のないイベント開催の助成に「スポーツ振興基金」を活用し、(スポーツ施設ではなく、多目的施設である札幌ドームの賑わいを創出することが)
スポーツの振興に資するという見解については、甚だ疑問を感じるところです。

株式会社札幌ドームの内部留保は、令和4年度末には約22億2,000万円であり、その後、6億5,000万円の赤字を受けて内部留保は令和5年度末には約15億4,700万円にまで減少しましたが、今回の4,200万円の黒字決算を受けて、令和6年度末の内部留保は約15億9,000万円に増えております。
「スポーツ振興基金」の活用は、同社の厳しい経営状況を踏まえた暫定的な措置であると認識しておりますが、その結果として同社の内部留保が増えているという現状には、やはり違和感が残るところであり、まずは同社の内部留保の取り崩しによって対応するべきと考えております。

令和7年度予算では、「札幌ドーム活用促進費」は1億3,500万円にまで増額されており、平日開催のイベントにも助成の対象を拡大するとのことです。
たしかに、需要の少ない平日利用の促進を図ることは重要であり、この点については令和6年第3回定例会の代表質問で私からも「そもそもこれまで平日も土日も同じ料金設定であったことに、民間の経営感覚の欠如を感じずにはいられない」と指摘をさせて頂きました。
一方で、これも本来は、平日におけるドームの料金設定を変更することで対応するべきものであり、なぜ「札幌ドーム活用促進費」という形でその差額を公金で助成するのか、疑問に感じるところです。

そこで、質問ですが、ドームの平日利用の使用料負担の軽減については、料金設定の変更という形で対応するべきと考えますが、なぜ「札幌ドーム活用促進費」という形で助成を行うのか、お考えをお伺い致します。

<答弁の趣旨>
・今年度実施している平日イベントの開催支援は、平日の新規参入を促すことを目的としており、新たに開催するイベントに限って、使用料の一部を支援するものであることから、対象イベントに対する補助という手法が妥当と判断している。

<波田質問>

「札幌ドーム条例」では、利用料金の限度額が定められておりますが、これはあくまで上限額を定めるものであり、平日の料金設定を安く設定することは、条例を改正することなく実施できるものと認識しております。
全国各地の他のドームでは、土日祝の料金よりも安価な平日料金が設定されていることが一般的でありますので、札幌ドームにおいても、やはり平日料金を設定することが必要であり、ましてや、その差額は、札幌市が公金で助成するような性質のものではないと考えます。

今月初めには、株式会社札幌ドームの2026年3月期の決算についても黒字となるとの見通しが示されましたが、令和6年度決算で6,000万円であった「札幌ドーム活用促進費」が、令和7年度予算では1億3,500万円に増えているわけですから、当然、同社の来期の決算も更に良くなるはずなわけであります。
このような公金による助成の拡大によって、結果として見かけ上の黒字決算を続けることは、やはり市民の皆さんに対して誠実ではなく、本質的な問題解決のために、引き続き抜本的な管理運営の見直しが不可欠であると受け止めております。

令和6年第3回定例会の代表質問で、私から「施設の改修や設備の更新、利用料金の設定等について、指定管理者制度よりも民間事業者の裁量範囲が大きい『公共施設等運営権制度(コンセッション方式)』の導入による「民間活力」の更なる活用」について提言させて頂き、秋元市長からは「令和10年度以降、どういう風にするのかということについて、現時点から検討を進めなければならない」「コンセッション方式も民間の活力を最大限に活かすという手法として検討の1つかという風に認識している」とのご答弁があったところです。

現指定管理期間が令和9年度までというタイムリミットを踏まえますと、いよいよもう間に合わないと危機感を強めております。

そこで、質問ですが、大和ハウスプレミストドームの今後の管理運営について、令和10年度以降も、現行の指定管理者制度の下で、株式会社札幌ドームによる管理運営を継続していくのか、現時点での見通しをお伺い致します。
また、コンセッション方式を含む新たな管理運営の在り方ついて、現時点での検討状況をお伺い致します。

<答弁の趣旨>
・令和10年度以降、非公募による指定管理を継続するかどうかは、現在の指定管理者である株式会社札幌ドームの管理実績が良好であるかどうかが重要な判断要素になる。
・新社長のもと、収支改善やプレミストドームの価値向上を目指して積極的に取り組んでいるところであり、まずはその成果を注視。
・そのうえで、公の施設としての役割を確保することと、民間活力を活かした収益性やサービスの向上とのバランスを図りながら、プレミストドームの価値を最大限に発揮できる管理運営の在り方について、引き続き検討。

<波田要望>

ご答弁の中で「公の施設としての役割」について言及がございましたが、たしかに、札幌ドームは、アマチュア利用や災害時における物資の集積拠点等、公共施設としての重要な役割も担っております。
一方で、コンセッション方式では、民間への売却とは異なり、施設の所有権は自治体に残るため、例えば市民利用枠の確保や災害・緊急事態等発生時の協力等について、事業契約書等の中で制限を設けることも可能であるため、公共施設としての性格を維持することができるとされます。

「札幌ドーム保全費」として令和6年度決算では、約5億8,000万円が計上されておりますが、このような施設の改修や設備の更新についても、所有者である札幌市が詳細に仕様を規定して発注するよりも、それも含めて民間事業者に運営を委ねた方が、保全に要する費用も抑えられるものと考えます。

また、新社長のもとで既に様々な新しい取り組みが進められておりますが、仮に今後、新たな発想の中で施設の改修を行いたいという時に、現行の指定管理者制度では様々な制約が生じるものと思いますので、やはりそれも含めて民間事業者に運営を委ねて、長期の運営期間の中で戦略的な投資や創意工夫を促す方が効果的ではないかと考えます。

コンセッション方式は、札幌ドームに類似する公共施設では、東京都の「有明アリーナ」や愛知県の「愛知県新体育館(IGアリーナ)」で既に導入されており、いずれも施設単体で導入されております。
札幌市で当初想定していたドーム周辺のスポーツ交流拠点の形成に向けた動きに変化が見られる中、ドーム周辺の施設の一体的な運営とは一度切り離して、ドーム単体でのコンセッション方式の導入を含めた、令和10年度以降の管理運営の検討に早急に取り組んで頂くことを要望して質問を終わります。

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