活動報告

議会

「認知症疾患医療センター」の設置要望について(令和5年10月12日 決算特別委員会 保健福祉局)

10/12(木)、決算特別委員会(保健福祉局)で「#認知症疾患医療センター」の設置を要望させて頂きました。

認知症疾患医療センターは、全国に499か所、北海道内に24か所設置されておりますが、札幌市には設置されておらず、政令市20市の中でも認知症疾患医療センターが設置されていないのは札幌市だけという、極めて衝撃的な現状にあります。

<波田質問>
私からは、認知症に関する相談・支援体制について質問させて頂き、その上で、専門医療機関である「認知症疾患医療センター」の設置について要望させて頂きます。

「認知症疾患医療センター」は、認知症の医療相談や鑑別診断を行う認知症の専門医療機関であり、都道府県や政令指定都市が指定をするものです。
現在、全国に499か所あり、北海道内では、江別市、小樽市、千歳市をはじめ、全道各地で24か所、既に設置されております。
しかしながら、札幌市では、なぜか1か所も設置されていない現状にあり、全国の政令市20市を見ましても、「認知症疾患医療センター」が設置されていないのは、なぜか札幌市だけという、極めて「衝撃的な」現状にあるものと認識しております。

本件については、令和5年3月1日に行われた札幌市議会第二部予算特別委員会におきましても、その設置の可否や検討状況について質疑が行われましたが、当時のご答弁では、「一部の医療機関を認知症疾患医療センターに指定することにより、その機能を集中させるのではなく、認知症サポート医や札幌医師会などと協力の上、市内の医療機関全体で役割分担をしながら、認知症医療体制の充実を図っている」とした上で、「札幌市におきましては、現行の医療体制と認知症施策の取組で、認知症疾患医療センターに求められる機能は網羅されているというふうに認識している」とのご答弁でございました。

しかし、この「現行の体制と施策の取組で、機能は網羅されている」との札幌市の認識には、私も認知症の母親を持つ家族の1人として、甚だ疑問を感じるところでございます。

令和5年3月に札幌市が公表した「高齢社会に関する意識調査報告書」によりますと、「認知症に関する相談窓口を知っていますか」という問いに対し、じつに7割以上の方が「いいえ」と回答しています。
実際に、認知症の方や、そのご家族からは、「認知症のことをどこに相談したら良いかわからない」「どこの病院に行ったら良いのかわからない」との切実なお声を、数多くお伺いしているところです。
このことだけを捉えましても、やはり現行の体制と施策の取組で、相談機能が網羅されているとは、到底思えないわけでございます。
先のご答弁では、気軽に相談できる窓口として「札幌市認知症コールセンター」を挙げておられますが、先ほどの意識調査報告書によりますと、このコールセンターの認知度は、40歳以上64歳以下では7.7%、65歳以上では4.9%と、あまりにも低い認知度に留まっている現状です。

このコールセンターは、月曜日から金曜日まで、常時2名体制で対応しており、令和4年度の相談件数は898件と伺っております。
年間で898件ということは、1日平均で約3件~4件程度の相談件数かと思います。
しかし、今や65歳以上の方の約6人に1人が認知症とも言われる中、人口197万人の札幌市において、認知症に関する相談件数が、そんなに少ないはずはなく、相談先の周知は喫緊の課題であると考えます。

そこで質問ですが、今後、認知症に関する相談先の周知をどのように強化していくのか伺います。

<答弁の趣旨>
・相談先の周知は重要と認識。
・認知症コールセンターについては、市民の目に触れやすい公共の場所への広告掲示を増やすことを検討。
・地域包括支援センターをはじめ、地域の相談窓口について、民生委員や認知症サポーターなど地域住民と共に啓発を強化し、企業との連携も検討していく。

<波田質問>
ありがとうございます。

認知症コールセンターに寄せられた主な相談内容を見ますと、「症状について」・「対応方法について」・「治療・病院情報について」となっており、やはり「医療」に関する相談や、病院を教えて欲しいといった相談が圧倒的に多いことがわかります。

ご答弁にございました地域包括支援センターも、もちろん重要な地域の相談窓口ではございますが、やはり「医療」に関する相談窓口ではなく、何より、認知症の相談に特化した窓口ではないわけです。

札幌市では、認知症の医療の相談先として「#認知症サポート医」を挙げています。
「認知症サポート医」は、認知症の人の診療に習熟し、かかりつけ医等への助言を行うとともに、専門医療機関や地域包括支援センター等との連携の推進役を担い、医療と介護が一体となった認知症の方への支援体制を構築する役割がある、とされています。

そこで、質問ですが、「認知症サポート医」が実際に地域でどのような役割を担っているのかお伺いします。

<答弁の趣旨>
・認知症サポート医が自ら診療を行うとともに、鑑別診断等も可能な場合もある。認知症の行動・心理症状の対応、身体合併の急性期治療の対応など必要な場合は、連携して対応している。
・また、かかりつけ医へのサポート役として、専門医療機関との連携の助言や認知症対応力向上を図るための研修の企画立案、講師を担っている。
・さらに、地域包括支援センターからの相談に対応したり、認知症初期集中支援事業のチーム員医師の役割を担っている。

<波田要望>
ありがとうございます。
現在、札幌市内では207名の医師が「認知症サポート医」として登録され、そのうち81名の医師の名簿が、札幌市のHP等で公表されております。

しかし、この「認知症サポート医」の名簿を見ますと、その専門分野は、認知症と関連の深い「脳神経外科」や「精神科」だけではなく、「内科」「呼吸器科」「消化器科」等と様々です。
お聞きしましたところ、「認知症サポート医」に登録されている医師は、地域のかかりつけ医の立場や、専門医の立場など様々で、2日間程の研修を修了した医師であれば、専門分野を問わず、登録されるとのことです。

また、認知症の鑑別診断に必要とされるCT・MRI・SPECT等の検査体制を備えた「認知症サポート医」は、極めて限定的であり、このようなことからも、「認知症サポート医」が医療の相談先として、市民のニーズを十分に満たしているかどうかは、やはり疑問が残るところです。

そして、何より、「認知症サポート医」を「専門医療機関との連携の推進役」と位置付けておきながら、札幌市内における認知症の専門医療機関はどこなのか、という情報については、どこにもわかりやすい形では情報公開がされていないことに、多くの市民の皆さんからも、戸惑いの声が挙がっているところです。

他の多くの自治体では、例えば認知症施策に関する自治体ホームページの中で、医療の相談先として「認知症疾患医療センター」の情報が公開されております。
そして、そこでは、医療相談を受けることができ、鑑別診断に必要なCT・MRI・SPECT等の検査体制が整っており、まさに相談から診断、治療、介護保険申請の相談まで、ワンストップで支援する体制が整っているわけです。

札幌市においても、認知症の専門医療機関や、鑑別診断が受けられる医療機関があるとは伺っておりますが、ぜひ市民の皆さんにもわかりやすい形で、早急に情報公開して頂くことを要望致します。
そして、もし、札幌市として堂々と公にできる専門医療機関は無い、ということであれば、それは早急に設置をするべきではないでしょうか。

他のどの都市でも、今や当たり前のように設置されている、専門医療機関としての「認知症疾患医療センター」を、この札幌市にも設置して頂くことを、強く要望致しまして、本件に関する質問を終わります。
どうかよろしくお願い致します。

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