10/16(月)、決算特別委員会(経済観光局)で「#農福連携」の取組拡大について、質問と要望をさせて頂きました。
福祉事業者による農業への参入には、農地法(農地の所有・貸借)や都市計画法(市街化調整区域の開発)などによる数多くの制約があり、参入の検討が妨げられている現状があります。
<波田質問>
私からは、「法人による農地の所有及び貸借」について質問させて頂き、その上で、異業種からの農業参入の拡大に向けた対応について要望させて頂きます。
平成29年に策定された「第2次さっぽろ都市農業ビジョン」によりますと、札幌市における「耕作放棄地面積」の割合は、平成17年には22.2%でしたが、10年後の平成27年には30.6%と大きく増加しております。
増え続ける #耕作放棄地 については、私も、元農業団体職員の1人として、強い危機感を持っているところでございます。
耕作放棄地の解消にあたっては、中核的な担い手への農地の集積・集約を図ることや、新規就農の促進が、重要な取組です。
そして、それと同時に、都市農業ビジョンの「基本的な方向」で示されております通り、企業や団体など、多様な担い手として、農業以外の、異業種の法人による農業参入を促していくことも重要と考えます。
しかしながら、異業種の法人が農地を所有したり、貸借するには、様々な障壁があるとの声もお聞きするところです。
法人による農地の所有及び貸借については、#農地法 に定められており、#農業委員会 の許可があれば認められると伺っております。
そこで、質問ですが、法人による農地の所有及び貸借が認められる場合の要件について、お伺い致します。
<答弁の趣旨>
・農地を所有できる農地所有適格法人の要件は、主たる事業が農業(売上高の過半)
・貸借であれば、一般法人も可能
<波田質問>
ありがとうございます。
農地所有の要件として、売上高の過半が農業であること、等がございましたが、農業以外を主たる事業とする異業種の法人にとっては、なかなかこうした要件を満たすことが難しいように思います。
一方で、農地の貸借であれば、要件を満たせる異業種の法人も多いように感じました。
例えば、近年、福祉事業者による農業への参入の動きがあります。
実際に、市内で農地を貸借している福祉事業者の方を訪問させて頂いたところ、就労継続支援B型事業所の利用者の方々が、自然あふれる農場で汗を流しながら、笑顔で生き生きと農作業に取り組まれる光景がありました。
「#園芸療法」という言葉もあります通り、やはり農業には健康の増進や精神的なストレスの軽減、コミュニケーションの促進など、福祉的な側面からも、様々な効用があるものと実感致しました。
こうした福祉事業者が農業に参入するにあたり、#社会福祉法人 の場合は、例外的に農地の所有・貸借が認められる場合があると伺っております。
そこで、質問ですが、それはどのような要件であるのか、お伺い致します。
<答弁の趣旨>
・社会福祉法人やNPO法人等の非営利法人が、社会福祉事業の運営に必要な農園として利用するために農地を取得する場合には、例外的に要件を緩和
<波田要望>
ありがとうございます。
社会福祉事業の運営に必要な農園として利用するための農地取得であれば、例外的に要件が緩和されることを理解致しました。
しかしながら、仮に、農業委員会で農地の所有や貸借が認められたとしても、その農地の上に、福祉施設等の建物を建てるとなると、また別の障壁があるとも伺っております。
農地の多くは、#市街化調整区域 にあるものと認識しておりますが、市街化調整区域に建物を建てるとなりますと、#都市計画法 に基づく「開発許可」が必要となり、所管する都市局にお聞きしましたところ、札幌市では、たとえ福祉施設であっても、市街化調整区域に建物を建てることはできないとのことでした。
このため、先程の福祉事業者の方は、市街化区域にある事業所から、毎日車で数十分かけて農場まで利用者の方を送迎しており、農場に休憩ができる場所もなく、必要な資材や収穫した作物を農場に置いておくこともできないため、非常に不便で苦労をしているとのことでした。
一方で、新潟市など、自治体によっては市街化調整区域であっても、農地の上に福祉施設を建てることが認められ、既に実現している事例もあります。
札幌市では認められないことが、他の自治体では認められることがある、これは、やはり要件としては農地法や都市計画法で定められているものの、そこにはやはり解釈の余地があり、最終的には個別の事例ごとに、農業委員会や開発審査会の裁量で判断をするためと認識しております。
これらのことを踏まえまして、最後に2点、複数の部門に跨る全庁的な要望をさせて頂きます。
まず、1つは、こうした福祉事業者の農業参入にあたり、組織横断的なワンストップの相談窓口を設置することです。
そして、もう1つは、本件に関して、全庁的な基本方針を示す計画の策定です。
これまで申し上げました通り、農地の所有や貸借により、福祉施設を建設するに当たりましては、農業委員会の許可のみならず、都市局による市街化調整区域における開発許可が必要となる場合がございます。
さらに、その後も、「農地」を「宅地」等に変更するための「#農地転用許可」が必要となり、これは北海道知事が許可をするものです。
そして、もちろん、福祉施設であれば、指定申請が必要となり、保健福祉局にも関わります。
このように、あまりにも関係先が多岐に渡りすぎて、農業参入を検討する事業者からは「結局、できるのかできないのかよくわからない」、そして、「どこに相談すれば良いのかわからない」との声があり、参入の検討が妨げられている現状もございます。
兵庫県三田市(さんだし)など、一部の自治体では、既にこのようなワンストップの相談窓口が設置されておりますことから、ぜひ札幌市でも設置の検討を進めるべきと考えます。
そして、やはり、農政部や農業委員会だけが仮に前向きに取り組みを進めましても、他の関係部局で必要な許可が出なければ、参入は進まないわけです。
そのためにも、札幌市全体が同じ方向を向いて、取り組みを進められるよう、その根拠となる、全庁的な計画策定が必要と考えます。
このような福祉事業者による農業の参入は、増え続ける耕作放棄地の解消のみならず、秋元市長が目指す「ウェルネス」「ユニバーサル」のまちづくりにとっても、極めて重要と考えます。
その実現のために、ぜひ、組織横断的なワンストップ相談窓口の設置や計画の策定等により、農業参入に意欲を示す福祉事業者の方々を後押しするような体制構築を、関係部局でご検討頂きますよう要望致しまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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