3/10(火) 札幌市議会 予算特別委員会(保健福祉局)で、「認知症の行方不明者への対策」について質問しました。
札幌市でも毎年約250名の認知症の方が行方不明となっており、残念ながら亡くなって発見される方や、未だに行方がわからない方もいらっしゃります。
「認知症になっても安心して暮らせる地域社会の実現」に向けて、他の多くの政令市で取り組まれているGPS機器の貸与を行う等、デジタル技術を活用した早急な対策強化を要望しました。
<波田質問>
私からは、「認知症の行方不明者への対策」について質問させて頂きます。
警察庁によりますと、認知症やその疑いがあり、令和6年に全国の警察に届け出があった 行方不明者は1万8,121人で、高齢化を背景に、その数はこの10年余りで約2倍になっているとのことです。
この中には、残念ながら発見時に死亡が確認された方も491人いらっしゃるとのことであります。
札幌市では、令和6年度に認知症の方の行方不明の届け出があったのは256人で、そのうち3名が発見時に死亡が確認されており、さらに、未だ行方の分からない方も数名いらっしゃると伺っております。
私も認知症の母親を持つ家族の1人でもありますが、じつは昨年、母親が札幌市内の自宅付近で行方不明になってしまう出来事がありました。
警察の方にもご協力を頂きながら、私自身も、車と自転車で近所のスーパーや病院、公園、河川敷など、あらゆる場所を必死に探し回りました。
しかし、大都市札幌において少ない人手で見つけ出すことは、まさに雲を掴むような話であり、雨が降って夕暮れ時で暗くなってくると、「もしかしたらもう会えないかもしれない」という絶望的な気持ちにもなり、頼むから誰か、どこかで気が付いて声を掛けて欲しいと、祈るような気持ちにもなったわけであります。
幸いにも、自宅から5km近く離れた家電量販店の店内の椅子に、2時間以上座っている様子を不審に思った店員さんが気付いてくださり、無事その日のうちに発見に至りました。
現地まで身柄を引き取りに伺った時には、溢れんばかりの感謝の思いと安堵の気持ちで、思わず涙がこぼれたことを思い出します。
だからこそ、残念ながら亡くなった状態で発見されてしまった方や、未だ行方がわからない家族の帰りを今もなお待ち続けていらっしゃる方々の居た堪れない気持ちが、非常に良く分かるわけであります。
札幌市においても、今後、認知症の方の更なる増加が見込まれる中、行方不明となることを未然に防ぎつつ、早期に発見するための対策がますます重要になってくると考えます。
そこで、質問ですが、認知症の行方不明者への対策について、札幌市はこれまでどのよう に取り組んできたのかお伺い致します。
<答弁の趣旨>
・平成11年から「札幌市徘徊認知症高齢者SOSネットワーク」を構築。
・北海道警察が行方不明となった認知症高齢者等の情報を得た場合、消防署、タクシー・地下鉄などの交通機関、郵便局、ラジオ局など市内99か所の協力機関へ捜査協力依頼。年間およそ250件稼働。
・また、希望者に靴の中敷きに貼る「身元確認シール」を配布し、保護された際に早期に身元の確認ができるよう取り組んでいる。令和6年度の配布実績71件。
・加えて、繰り返し行方不明となる方もいることから、区保健福祉課職員等が認知症の方の状態に合わせて介護サービスを調整。
・地域で行方不明高齢者の捜索模擬訓練を行っている事例もあり、地域が主体となって高齢者を見守る目を養う取組も実施。
<波田質問>
「札幌市徘徊認知症高齢者SOSネットワーク」によって、例えばタクシーの運転手さん等、多くの方々にご協力頂けることは大変有難いものと思います。
しかし、一方で、その実効性という観点では、やや限界も感じるわけであります。
「札幌市徘徊認知症高齢者SOSネットワーク」の「誰が見つけたのか」という発見者の内訳を見てみますと、令和6年度では「SOSネットワーク関係者」が3%に留まっており、「警察官」が20%、「家族」が4%であるのに対し、最も多いのは「一般人・施設職員等」で50%となっております。
このことからも、早期発見につなげるためには、やはり道行く市民の方々や地域の目が、いかに重要な役割を担っているかがよくわかります。
「札幌市徘徊認知症高齢者SOSネットワーク」は、27年前の平成11年から構築されているとのことでありますが、お聞きしましたところ、この27年間、大きな仕組みの見直し等は特に行われていないとのことであります。
そもそも、「徘徊」という言葉自体が、10年ほど前から厚生労働省や多くの自治体で使われなくなっておりますが、札幌市の「SOSネットワーク」の名称には、未だに「徘徊」という言葉が用いられており、このことからも、札幌市における認知症の行方不明者への対策について、必要な見直しやアップデートが十分になされているのか、甚だ疑問に感じるところでございます。
この27年の間に、スマートフォンの普及やGPSの精度向上などデジタル技術が大きく進歩しており、他の自治体では、それらを活用した新たな取り組みも多く見られます。
例えば、兵庫県加古川市では、高齢者等の安全確保と家族の身体的・精神的負担の軽減を図るため、「見守りタグ」を認知症の方に無料配布し、市内全域2,000か所以上の検知ポイントでタグの位置情報を取得する「見守りサービス」を提供しております。
認知症の方が「見守りタグ」を持ち歩くことにより、家族はスマートフォンでタグの位置情報をいつでも確認できる他、「見守りボランティア」の市民の方が「地域みまもりアプリ」をダウンロードして持ち歩くことで、道行く市民の方々のスマートフォン1台1台が「見守りタグ」の検知ポイントとなって早期の発見に繋がり、アプリを起動しながら外出すると社会貢献活動として、ポイント加盟店で利用可能なポイントが付与されるなど、市民参加型の取り組みとなっております。
令和6年度は行方不明になった加古川市民62人のうち、半数以上の32人が「見守りタグ」によって発見に至ったとのことであります。
そこで、質問ですが、認知症の行方不明者への対策について、札幌市では今後どのような 取り組みを行っていくのかお伺い致します。
<答弁の趣旨>
・積雪寒冷地の札幌市において、認知症の方が行方不明になることは命に関わる重大な問題であり、対策強化は課題と認識。認知症の方が行方不明になるリスクは 重症度に関わらずあるので早期からの備えが重要。
・スマートフォンから場所を探し出せるスマートタグ等、デジタル機能を有効に活用した見守りや日頃の備えと緊急時の対応等の情報について、ホームページ上に掲載するなど、普及啓発を強化する。
・多くの市民が、困っている高齢者を見かけたら声を掛けてみるといった日常的な見守りができる地域づくりを進める。
<波田要望>
様々な役立つ情報について、ホームページ上に掲載するなど、普及啓発を強化することは極めて重要と思います。
しかし、一方で、他の多くの政令市では、デジタル技術を活用した見守りや日頃の備えについて、単にホームページ等で普及啓発を行うことに留まらず、例えば大阪市や福岡市などの政令市10市では、位置情報が把握できるGPS端末機を市が貸与している等、積極的な取り組みが多く見られますので、札幌市でもぜひ、実効性の高い、もう一歩踏み込んだ真剣な対策強化を強く要望させて頂きます。
最後に、ご提案ではありますが、札幌市では健康アプリ「アルカサル」の本格運用が来月から始まります。
先ほど例に挙げました加古川市の取り組みのように、市で独自に新たな「見守りアプリ」を開発して、それを多くの市民にダウンロードしてもらい、検知ポイントとして市内を歩き回る「見守りボランティア」を増やしていくには、膨大な費用と労力を要します。
しかし、一方で、札幌市では「健康アプリ」という新たなアプリをスマートフォンにダウンロードして、数万人、数十万人の市民の方々が市内を歩き回るという体制までは既に整っているわけであります。
この「健康アプリ」と「見守りタグ」のようなものを何か上手く連動させることで、数万人、数十万人の市民の方々お一人お一人が、タグの検知ポイントとなって市内各地を歩き回るとすれば、最小限の費用と労力で、大変効果的な見守りネットワークを構築できるのではないかと考えるところです。
ご自身の健康づくりのために、市内を歩いてポイントを貯める、それだけでももちろん大いに結構なことでございますが、ひいてはその歩くことが、行方不明となって困っている認知症の人やその家族の役に立つかもしれないとすれば、健康アプリを利用する方々の動機づけとしても、よりいっそう高まるのではないかと思います
認知症になっても安心して暮らせる地域社会の実現に向けて、早急に対策を強化して頂きますことを強く要望して質問を終わります。


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