活動報告

議会

代表質問① 指定管理者の非公募による指定(令和6年9月27日 本会議)

はじめに、指定管理者の非公募による指定について伺います。

札幌市の指定管理施設426施設のうち、その54%に当たる232施設が、「非公募」による指定となっており、さらにそのうち約7割に当たる169施設は、札幌市が出資する、いわゆる「出資団体」が指定されております。

本件につきましては、昨年12月の第4回定例会の代表質問で、「原則として公募としているにも関わらず、現在、非公募による施設運営が、公募よりも多いという現状について、制度の趣旨に鑑みて、公募による施設運営を増やしていくべきではないか」と私から秋元市長に質問をさせて頂きました。

当時の副市長のご答弁では、「施設の選定方法は、公募を原則としつつ、市の施策との一体的な企画立案や、長期的な事業運営、人材育成などを必要とする場合には、非公募による選定を認めているところ」「公募により、施設運営に支障が生じたことはないが、これらの要素を勘案し、施設の設置目的等を一層発揮するため、非公募により選定した施設もあるところ」とのご答弁でございました。

もちろん、ご答弁の通り、公募を原則としつつ、ごく一部の施設について例外的に非公募による選定を認めるというお考えについては一定の理解を致します。
しかし、原則に対して、例外の方が多いという札幌市の現状には、やはり甚だ疑問を感じるところであり、原則公募という原則が、もはや原則の体を成していないと言っても過言ではありません。

全国の政令市20市との比較におきましても、令和6年4月1日時点で、指定管理者の指定に占める「非公募による指定」の割合は、札幌市が54%であるのに対し、私が行った聞き取り調査では、政令市平均は28.2%であります。
特に、私ども維新の会が徹底した行財政改革を行った大阪市は0.2%、堺市は1%であることをはじめとして、さいたま市4.2%、川崎市3.1%、横浜市15%、浜松市5.8%、京都市2.9%等と、札幌市における「非公募による指定」の割合がいかに多いか、明確に浮かび上がってくるところでございます。

例えば札幌市では、各区の体育館や温水プール等、市内約30のスポーツ施設において、札幌市が出資する「一般財団法人札幌市スポーツ協会」が指定管理者として非公募で指定をされており、令和5年度の指定管理費の決算額は約24億7,000万円となっております。
一方で、大阪市や横浜市、京都市等では、スポーツジムやフィットネスクラブ等を経営する民間事業者が公募で指定管理者に指定されております。
このため、民間事業者間での競争原理が働き、例えば平日の昼間など来場者が少ない時間帯は職員を減らすこと等でコスト削減を図っている他、魅力ある講師の選定と多彩なフィットネスプログラムの提供、クレジットカードや電子マネーによるキャッシュレス決済の導入等、まさに制度の趣旨の通り、民間のノウハウを活用して、住民サービスの向上と経費の削減等が図られているところでございます。

札幌市においても、例えば、中央区にある「旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮」は、市が所有する文化財として、これまで長く市が直接管理運営を行っておりましたが、平成30年度から指定管理者制度が導入され、公募によって民間事業者が指定管理者に指定されました。
これにより、現在では、「和洋折衷」という建物の特徴をコンセプトにした喫茶店「ナガヤマレスト」がオープンし、昨年度は年間4万7,000人以上の方が来場する名所として生まれ変わっております。
まさに、札幌市が所有する貴重な文化財が、民間の活力によってこれまで以上にその価値を高め、より多くの市民の方や観光客の方に喜ばれているわけでございます。
これこそが、指定管理者制度が目指す本来の姿であり、その趣旨に鑑みましても、民間事業者の参入機会の拡大を図るために、やはり公募による指定を徹底することが極めて重要であるものと考えております。

仮に、もし、原則通り公募による指定を徹底した場合、困るのは誰でしょうか。
仮に、もし、一部の人の利益のために、住民サービスの向上が図られず、過剰な税金が投入されている実態があるとすれば、徹底した行財政改革を掲げる我が会派と致しましては、断じて容認することのできないものでございます。

そこで、質問ですが、「原則として公募」としている指定管理者の指定について、他の政令市との比較においても、非公募による指定の数が多いという札幌市の現状については、やはり課題意識を持って、改善の余地を認識するべきではないかと考えますが、あらためて市長のご認識をお伺い致します。
また、様々な理由を挙げて非公募による指定を続ける札幌市でありますが、仮に、現在、非公募で指定している指定管理者を、今後、原則通り公募による指定に変更した場合、札幌市や札幌市民にとって、一体どのような弊害が生じることを懸念されているのか、市長のお考えをお伺い致します。

<答弁の趣旨>
〇指定管理者は原則公募で選定するが、市の施策との一体性や人材の確保、長期的な運営が必要な場合など、一定の目的がある場合は、個別の条例で、非公募で選定できる旨を定めている。
〇公募、非公募については、こうした趣旨を踏まえ判断してきたものと認識。
〇非公募を公募に変更した場合には、市の施策との一体性や人材の確保、長期的な運営などといった非公募を選択した目的が達成されなくなる懸念があるが、今後とも、施設の性質を考慮し、最も設置目的にふさわしい手法を選択してまいる。

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