活動報告

議会

「セーフティネット住宅に関する相談状況と登録要件」について(令和5年10月20日 決算特別委員会 都市局)

10/20(金)、決算特別委員会(都市局)で「セーフティネット住宅」に関する相談状況と登録要件について質問させて頂き、セーフティネット住宅の規模要件(現状:25㎡以上)の緩和について要望させて頂きました。

<波田質問>
私からは、「セーフティネット住宅」に関する相談状況、および登録要件について質問させて頂き、その上で、セーフティネット住宅の規模要件の緩和について要望させて頂きます。

札幌市では、令和2年度に開設した、住宅の確保に関して、悩みを抱える方に対する相談窓口である「みな住まいる札幌」において、これまでも、様々な相談を受けてきていると伺っております。

安定した住まいを確保することは、生活をしていく上で必要不可欠なことであり、その住まいに関する悩みを相談する場があるということは、悩みを抱える方々にとっては、大変貴重なものであると認識しております。

しかしながら、令和4年度に「みな住まいる」で相談に対応した件数は1,365件と伺っておりますが、これに対し、実際に入居決定に至ったのは116件に留まっております。

そこで、質問ですが、相談件数に対して、実際に入居決定に至った件数があまり多くない要因について、認識をお伺い致します。

<答弁の趣旨>
・みな住まいる札幌では、住宅を探している相談に加えて、生活上の困りごとなども聴き取りを行い、相談者の状況に応じたアドバイス、適切な相談先などにつなげている。
・相談件数1,365件のうち、必ずしも引っ越しが必要な相談者ばかりではなく、住み替え先の物件を紹介した件数は652件。
・入居決定数の116件については、相談者または貸主から連絡を受けたものに限る件数であり、実際に入居に至った方はもっと多いと認識。
・なお、アンケート調査では、満足との回答が85%を超えており、みな住まいる札幌の相談窓口としての役割は十分に果たしていると考えている。

<波田質問>
ありがとうございます。
ご答弁にございました通り、実際に入居に至った方の数については、全てを追跡して把握ができているわけではないことは理解を致しました。

しかしながら、そうであると致しましても、住み替え先の物件を紹介した652件の方々の中には、希望した条件に合う物件が見つからずに終わってしまった方も、多くいらっしゃるのではとも思うわけでございます。

住まいの確保に悩みを抱えている方に対する一つの方策として、セーフティネット住宅の登録制度があります。
高齢であることや、障がいがあることを理由に入居を拒まないセーフティネット住宅の登録数を増やしていくことも、住宅確保要配慮者が住まいを確保するためには重要なことと考えます。

このセーフティネット住宅の登録要件のうち、札幌市では規模要件を「25㎡以上」としております。
しかし、私は、この「25㎡以上」という札幌市の規模要件が、住まいを探す方々にとっての選択肢を、ひときわ狭めているようにも思うわけでございます。

と申しますのも、セーフティネット住宅を探し求める方々の中には、生活保護を受給されている方が多くいらっしゃると認識しておりますが、札幌市における生活保護の住宅扶助額は、単身の場合、月額36,000円です。

参考までではございますが、不動産・住宅に関する大手総合情報サイトで検索をかけてみますと、家賃が35,000円以下の賃貸物件は、札幌市内で約34,000件、出てきます。
しかし、そのうち、25㎡以上の物件となりますと、約13,000件となり、全体の約4割程度の物件数に限定されてしまいます。
つまり、生活保護の住宅扶助額の予算内で、物件を探すとなると、その大半が25㎡以下の物件となるにも関わらず、これらの25㎡以下の物件は、セーフティネット住宅の登録要件を満たさないため、セーフティネット住宅としては登録されていない現状があるようにも思います。

この「25㎡以上」という規模要件は、国土交通省が定める登録基準に準じたものと認識しております。
しかし、一方で、国交省では「地方公共団体が供給促進計画で定めることで、耐震性等を除く基準の一部について、強化・緩和が可能」としており、実際に、規模要件については、大阪市では18㎡以上、川崎市では20㎡以上など、規模要件を緩和している自治体もございます。
また、横浜市や福岡市等では、築年数に条件を付けた上で、規模要件を18㎡以上に緩和しています。

そこで、質問ですが、札幌市では現状の規模要件について、どのように認識されているのか、お伺い致します。

<答弁の趣旨>
・札幌市住宅マスタープラン2018では、健康で文化的な住生活を確保する観点で定められた「最低居住面積水準」である25㎡を下回る住宅については、解消すべきと目標設定している。
・市内には25㎡以上の賃貸住宅が相当数存在しており、要件を見直す予定はない。
・国において5年に1度の住宅土地統計調査を実施しており、その調査結果なども踏まえ、総合的に検討するべき事項と考える。

<波田要望>
ありがとうございます。
ご答弁にございました「健康で文化的な住生活を確保する」という観点は、大変重要であり、もちろん、できることなら、部屋は広い方が良いわけであります。
しかし、一方で、限られた予算の中で物件を探すとなると、当然、他の様々な希望や条件を、諦めなければならないこともあるかと思います。

特に、生活保護を受給している世帯の約8割が、高齢者や障がい者、傷病者の世帯であることを踏まえますと、「部屋は少し狭くても良いから、駅やスーパーから近いところが良い」、あるいは、「多少狭くても良いから、階段ではなくエレベーターがついている物件が良い」という方も、多くいらっしゃるかと思います。

このように、人によって様々な希望や条件がある中で、この「25㎡以上」という札幌市の規模要件が存在するがために、セーフティネット住宅に辿り着くことができない方がいらっしゃったり、あるいは、足が悪いのに駅から遠い物件しか見つからない、エレベーターのない物件で階段の上り下りを強いられている方々がいらっしゃるとすれば、それこそ、むしろ、健康で文化的な住生活とは、あまりにもかけ離れた、実態ではないでしょうか。

セーフティネット住宅の規模要件の緩和によって、より多くの方のニーズに合った賃貸物件が数多く登録され、「みな住まいる」に相談に訪れる方のうち、これまで以上に、少しでも多くの方が、希望の条件に合った物件に入居できるのではないかと考えるところです。

そのためにも、他の政令市の事例も踏まえまして、今一度、札幌市においても、このセーフティネット住宅の規模要件について、見直しを検討頂くことを要望致しまして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

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