<波田質問>
指定管理施設に支出される指定管理費の総額は、令和7年度予算で、およそ177億5,700万円となっており、その約7割に当たる123億3,700万円余りが、札幌市が出資する「出資団体」が受託する施設に支出されるとのことであります。
札幌市の指定管理施設424施設のうち、その55%に当たる234施設が、「非公募」による指定となっており、さらにそのうち、7割以上に当たる169施設は、札幌市が出資する「出資団体」が指定されております。
本件につきましては、制度の趣旨等を踏まえて、原則通り「公募」による指定を徹底するべきと、度々指摘をさせて頂いているところでございます。
一方で、原則通り「公募」によって指定されている190施設のうち、その6割以上に当たる115施設では、公募でありながら1者しか応募が無いという現状にあり、さらにそのうち、53%にあたる61施設では札幌市が出資する「出資団体」が指定されております。
原則通り公募によって指定されている施設においても、応募が1者しかなく、その約半数が市の出資団体であるという現状は、民間活力によって経費削減や市民サービスの向上を図るという制度の趣旨を踏まえますと、決して健全ではない現状にあるものと認識しております。
例えば、清田区にある「平岡樹芸センター」は、指定管理者制度が始まった平成18年以降、20年近くにわたり、札幌市が出資する「公益財団法人札幌市公園緑化協会」が指定管理者に指定されております。形式的には公募による指定ではありますが、平成22年度から現指定期間である令和9年度までの20年間、一貫して応募は1者のみとなっております。
この公園は、紅葉の名所としても親しまれており、特に、公園のリーフレットの表紙にもございますように、紅葉(もみじ)が落葉して、赤い絨毯(じゅうたん)のように美しさが広がる見頃時期には、多くの市民や観光客が訪れておりました。
しかし、近年は、温暖化の影響もあってか紅葉の時期がやや遅くなっており、最も美しい見頃時期には公園が閉園してしまい、園内に入れなくなってしまっているとのことであります。
この公園の開園期間は毎年4月29日から11月3日までと協定書で定められておりますが、協議によって指定管理者が自主的に延長することが認められております。しかし、多くの来園者が見込まれる紅葉時期には、駐車場への警備員配置などの費用負担を要することから、開園期間の延長は、令和5年度は2日、令和6年度は1日のみ、延長するのが限界であったとのことで、結果としてリーフレット表紙の写真にあるような見頃時期には公園が既に閉園してしまっている現状にあります。
一方で、民間の経営感覚からすれば、紅葉時期に公園に人が集まるというのは、むしろビジネスチャンスです。開園期間の延長による警備員の配置等を単にコストとして捉えるのではなく、例えば自主事業としてキッチンカー等による飲食提供や物品販売、イベント開催による出展料やスポンサー料の徴収を行う等、主体的な企画・運営によって指定管理者が収益を得られる機会でもあり、こうした民間活力による創意工夫が、結果として市民サービスの向上や公園価値の向上に繋がるものと考えます。
1者しか応募が無い「公募」によって、市の「出資団体」が指定管理者に指定され、結果として、市民にとって市有施設が十分に活用されていない現状があるとすれば、指定管理者制度が目指す民間活力による市民サービスの向上とは、あまりにもかけ離れたものであると受け止めております。
そこで、質問ですが、原則通り公募によって指定管理者が指定されている市有施設においても、その6割以上の施設で応募が1者しかなく、さらにその約半数が市の出資団体であるという現状は、民間活力によって経費削減や市民サービスの向上を図るという制度の趣旨を踏まえますと決して健全ではなく、改善が必要な現状にあるものと認識しておりますが、市長のご認識をお伺い致します。
<答弁の趣旨>
〇指定管理者制度は、公の施設の管理に民間事業者等の有するノウハウを活用することにより、多様化する住民ニーズに効果的・効率的に対応していくことを目的としている。
〇公募施設について、制度の趣旨をより適切に反映するためには、複数の応募者があることが望ましいと認識しており、出資団体が単独で応募する施設が約半数ということも含め、現状を分析の上、必要な見直しを行ってまいりたい。
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