活動報告

議会

債権管理の取組みについて(令和7年3月3日 予算特別委員会 財政局)

3/3(月)、札幌市議会 第1部予算特別委員会(財政局)で、札幌市の「債権管理の取組み」について質問しました。

令和5年度末時点で、まだ回収できていない債権が約152億円残っており、回収できないまま時効を迎える等して約17億3,000万円が不能欠損となってしまっております。
厳しい財政状況の中、財源を生み出すために、既存の事務事業の徹底した見直しを行うことはもちろんですが、同時に、本来入ってくるべき歳入をしっかりと確保することも大変重要と考えます。

<波田質問>

私からは、札幌市の「債権管理の取組み」についてお伺い致します。

2/20(木)の代表質問において、学校給食費の未納額増加について質問させて頂き、再三にわたる督促と催告によっても回収できなかった学校給食費の未納額について、最終的に一般財源で穴埋めされている現状は、公平性を著しく欠くものではないかと指摘をさせて頂きました。

学校給食費のみならず、市税や国民健康保険料など、札幌市には現在、多額の収入未済額を抱える債権があります。そして、それらは本来、様々な政策実現に活用できる財源となるべきはずのものであり、回収できないまま時効を迎える等によって不納欠損となってしまうことは、市民にとって大変重大な損失であると受け止めております。

厳しい財政状況の中、財源を生み出すために、既存の事務事業の徹底した見直しを行うことはもちろんですが、同時に、本来入ってくるべき歳入をしっかりと確保することも大変重要と考えます。

そこで、質問ですが、一般会計・特別会計を合わせた令和5年度末時点における収入未済額総額及び収納率、令和5年度の不納欠損額、また、収入未済額が大きな債権における、その未済額及び収納率、令和5年度の不納欠損額についてお伺い致します。

<答弁の趣旨>

〇令和5年度末時点の一般会計と特別会計を合わせた収入未済額総額は約151億8千万円、収納率は約99.1%、令和5年度不納欠損額約17億3千万円となっている。
〇収入未済額が大きい債権として、生活保護費返還金が、収入未済額約50億8千万円、収納率約17.8%、令和5年度不納欠損額約3億4千万円、国民健康保険料が、収入未済額約33億6千万円、収納率約87.9%、令和5年度不納欠損額約8億1千万円、市税が、収入未済額約30億4千万円、収納率約99.1%、令和5年度不納欠損額約2億1千万円となっている。

<波田質問>

収入未済総額が約152億円で、そして約17億3,000万円が不納欠損額となってしまったとのことでございました。

これだけの財源があれば、様々な政策を実現できるものと思います。
生活に困窮する方が債務者である場合、直ちに全てを回収できるものではないものと思いますが、一方で、市民負担の公平性という観点からも、やはり「払わなかった者勝ち」「使ってしまった者勝ち」というようなモラルハザードを容認することのないように、収入未済額や不納欠損額の縮減に全庁的に取り組むことが極めて重要であると認識しております。

債権の中には、徴収を主とする部署がないものも多く、そういった部署では、他の業務と並行して督促、催告などの債権管理を行っているとのことですが、知識、経験、ノウハウが十分に継承されなかったり、時には難解な法解釈に阻まれたりすると、将来的な収入未済額の増加につながってしまいます。
そのため、財政局管財部では、全庁的な債権管理に関する事務を総括し、各部局に対し、色々な支援をしていると伺っております。

そこで、質問ですが、全庁的な債権管理の適正化のため、財政局管財部ではこれまでどのようなことに取り組んできたのか、伺います。

<答弁の趣旨>

〇管財部では、債権所管部からの各種相談対応や助言、標準的な事務処理をわかりやすく解説するハンドブックの策定及び拡充、債権所管部の職員を対象とした事務研修を実施してきた。
〇また、法解釈が難解な事案についての弁護士による法律相談、相続人特定のための外部委託による調査等を管財部が窓口になって行うことにより、債権所管部における事務負担の軽減を図ってきたところ。

<波田質問>

財政局管財部では、各部局が適切な債権管理が行えるよう、取り組んできたとのことでございました。

札幌市では、平成24年度に「札幌市債権管理条例」を制定しました。
制定前の平成23年度の一般会計・特別会計を合わせた収入未済額は約300億円と聞いており、先ほどのご答弁では、令和5年度は約152億円であったことから、半分程度まで減少しており、管財部による債権所管部への支援により、一定の成果が出ているものと認識しております。

しかし一方で、近年の定期監査の報告書によりますと、債権管理について、長期間催告が行われていない未収債権や、消滅時効期間が満了しているにもかかわらず、回収困難性の判断に基づいた債権の放棄等の手続の実施に至っていない未収債権が散見されたとの指摘を受けている部局もあるなど、全庁的には、まだ適正な債権管理がなされているとは言えない現状があります。

そこで質問ですが、債権管理の更なる適正化に向け、財政局管財部では、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、伺います。

<答弁の趣旨>

〇適正な債権管理は、札幌市の財政基盤の安定化に資するとともに、市民負担の公平性の観点からも重要であり、近年の定期監査において、債権管理について指摘を受けていることを重く受け止めている。
〇債権所管部では、担当職員が基礎的な知識を有していないことや、個々の債権ごとに、判断が難しい事案が発生することなどにより、事務が停滞することも見受けられる。
〇そのため、管財部としては、債権所管部に対して、個々の債権の性質や現場の実態を踏まえた課題分析、出前型の研修を実施していくなど、債権所管部の声も聞きながら、これまで以上にコンサルティング機能を発揮して、債権管理の適正化に努めてまいる。

<波田要望>

債権管理の適正化は、どの自治体でも課題となっています。

他都市の取組事例として、例えば大阪市では、10名以上の市職員と非常勤嘱託職員の弁護士で構成される市債権回収対策室を設置し、全庁的な債権回収の目標設定や進捗管理に取り組みながら、未収金の回収状況を概ね3か月に1回、市のHPで公表する等、徹底した対応を行っているとのことであります。

札幌市においても、債権管理の取組の在り方について、他都市の事例なども研究しながら、絶えず改善を図っていただくよう要望し、私からの質問を終わります。

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