活動報告

議会

地下鉄 駅メロディ「虹と雪のバラード」の放送継続について(令和6年3月14日 予算特別委員会 交通局)

3/14(木)、札幌市議会 予算特別委員会(交通局)にて「地下鉄の駅メロディ『#虹と雪のバラード』の放送継続」について、質問と要望をさせて頂きました。

札幌市からは、「技術的な課題によって、現在も全49駅のうち26駅のみでの導入となっている」「仮に他都市のように、安全確保などの観点からメロディを導入する場合、路線の中でメロディを導入する駅と導入しない駅が混在することは望ましくないため、現時点では実施する考えはない」との趣旨の答弁がありました。

<波田質問>
私からは、「市営地下鉄における接近放送メロディ」について質問させて頂きます。

札幌市では、1972年「札幌オリンピック」を知る世代に、今なお人気のうた「虹と雪のバラード」という札幌が持つ資産を活用し、広く市民に対し、札幌が「オリンピックのまち」であることを知ってもらうとともに、オリンピック・パラリンピック招致の機運を盛り上げていくための取り組みの一環として、平成31年2月から市営地下鉄の接近放送メロディ(駅メロ)の導入を行い、地下鉄駅 全駅 計49駅のうち、26駅で導入されております。

しかしながら、オリンピック・パラリンピック招致活動停止に伴い、この接近放送メロディについても、本日から順次、放送を取りやめることとなっております。

長年、なぜか駅メロディが無かった札幌市営地下鉄において、ようやく導入された今回の「虹と雪のバラード」は、地下鉄を彩るメロディとして市民生活に広く定着しておりましたため、私自身も非常に寂しく、大変残念な思いでおります。

この接近放送メロディに対しては、オリ・パラ招致活動の停止後、市民の方から「招致活動を停止したのだから、もう『虹と雪のバラード』を流すのもやめるべきではないか」とのご意見が寄せられたと伺っております。

一方で、放送停止が明らかになった2月中旬以降は、「招致活動には反対だったが、メロディの放送は続けて欲しい」等というご意見もあり、このような放送の継続を望むご意見が、一昨日12日までに約60件、市に寄せられているとの報道もございました。

SNS上では、「札幌らしくて気に入っていたのに残念」「やめたら味気ない地下鉄になってしまう」といった声が数多く上がっている他、新聞では「招致活動には賛否さまざまな意見があったが、歌には責任はなかろう」とのオピニオン記事が掲載されております。

そこで、質問ですが、オリンピック・パラリンピック招致の機運を盛り上げていくために導入された地下鉄接近放送メロディとしての「虹と雪のバラード」について、招致活動の停止後、市民からどのようなご意見が寄せられたのかお伺い致します。
また、接近放送メロディの取りやめに至った経緯についても、併せてお伺い致します。

<答弁の趣旨>
・招致活動の停止が決まった12月には「速やかな廃止を求める」との意見が寄せられた。
・一方で、放送停止が決まってからは「継続して欲しい」「曲が流れると癒されるので、新しいメロディを流して欲しい」等の意見が寄せられた。
・今回のメロディ放送については、招致活動期間中のみを想定したものであり、スポーツ局から要請を受けて放送の取りやめに至った。

ありがとうございます。

もちろん、これまでのオリンピック・パラリンピックの招致活動に対して、あまり良い印象をお持ちではない市民の方々のお気持ちには、十分配慮をしなければなりません。

しかし、一方で、言うまでもありませんが、「虹と雪のバラード」は、今回のオリ・パラ招致活動のために作られた歌ではありません。
冒頭で申し上げた今回の接近放送メロディ導入についても、その目的は「オリンピック・パラリンピック招致の機運を盛り上げていくため」だけではなく、「広く市民に対し、札幌が『オリンピックのまち』であることを知ってもらう」という目的もあったものと認識しております。

これまでにオリンピックが開催されたのは、国内では「東京」・「長野」・「札幌」だけでありますから、札幌が『オリンピックのまち』であることは、これまでも、これからも、変わることの無い事実であり、次の世代にも語り継がなければならない重要な歴史であると考えます。
まさにその「レガシィ」「文化遺産」とも言える「虹と雪のバラード」は、今後も、郷土の歴史を後世に伝える重要な役割を担う象徴的な歌であり、引き続き地下鉄の接近放送メロディとして、身近に市民の皆さんに親しんで頂くことは、その一助になるものと考えるところです。

市営地下鉄は、札幌市を含む政令市7市で運営されておりますが、札幌市以外の市営地下鉄では、オリ・パラ招致活動とは関係なく、「接近メロディ」や「発車メロディ」が導入されております。
その目的の多くは、車両の接近や発車の注意喚起による「安全の確保」があるかと思います。
また、上りと下りで異なるメロディを用いることで、視覚障がいを持つ方などが、メロディを聞いただけで行き先を把握できるという「バリアフリーの観点」もあります。

そして、何より、例えば京都市では、京都を思わせる琴の音をイメージしたメロディが採用されており、他都市においても、「地域の特色を活かしたメロディ」を導入している事例があります。

SNS上では、「ご当地ソングは旅を演出する」「地下鉄で『虹と雪のバラード』を聴くと、『あぁ、札幌に来たんだなぁ』と実感する」といった声もありましたことから、このような取り組みは、地元の市民や観光客の方々にとっても、目には見えない大きな付加価値を生み出しているようにも思います。

現行の「虹と雪のバラード」を接近放送メロディとして継続する場合に必要な予算額は、著作権料等として年間約50万円と伺っておりますが、費用対効果を考えましても、十分、それに資する価値があるものと考えるところです。

そこで、質問ですが、他都市における取り組み状況も踏まえて、札幌市では、市営地下鉄の接近放送メロディについて、今後どのように検討していくのかお伺い致します。

<答弁の趣旨>
・方面ごとに独立して放送できない島式ホームでは、両方面が同時に到着する際メロディを再生することが難しいため、放送装置が方面ごとに独立している相対式のホームである25駅と、次駅までの駅間が長く技術的に導入可能であり、札幌オリンピックのレガシーに位置づけられている真駒内駅に限り実施することとした。
・例えば東豊線であると、新道東駅、環状通東駅、北13条東駅、大通駅は相対式ホームのためメロディが流れるが、その他の駅は島式ホームのためメロディが流れていない。
・他都市の市営地下鉄6市の取り組みについては、委員指摘のとおりホームでの安全確保やバリアフリーの観点などを契機として導入しているもの。
・具体的には、2市が発車メロディを、3市が接近放送メロディを、1市が発車と接近放送ともにメロディを導入しているが、全ての駅において放送装置がホームごとに設置されている路線のみで導入していたり、2秒程度の短いメロディを使用するなど、事業者により、その運用は異なっている。
・仮に札幌市で安全確保やバリアフリーの観点から新たにメロディを導入する場合、路線の中でメロディを導入する駅と導入しない駅が混在することは望ましくないものと認識している。
・札幌市においては、地下鉄全駅に可動式ホーム柵を設置していることから一定の安全性が確保できており、またバリアフリーの観点でも、現在、視覚障がいをお持ちの方への配慮として、ホーム案内放送を方面別に男女の音声に分けて行っているところ。
・今後、地下鉄全駅で実施する場合、島式ホームの放送設備の改良など技術的課題を解決しなければならないことから、現時点では実施する考えはない。

ありがとうございます。

市民の皆さんからの要望としては、「今やっていることを続けて欲しい」、ただそれだけでございます。

「町ができる 美しい町が」「生まれかわる サッポロの地に」という「虹と雪のバラード」の歌詞の一節にもありますように、今日に至る札幌の町の概観は、まさに1972年の「札幌オリンピック」を契機として大きく変わり、地下鉄をはじめ、町が形作られたと言っても過言ではありません。
そして、そこには、先人たちが抱いた夢や、後世に託した想いが詰まっているものと思います。

未来を生きる札幌の子どもたちが、「地下鉄でいつも流れているあの歌は、『虹と雪のバラード』という歌だったのか」「自分たちが住んでいるこの札幌の町でも、昔オリンピックが開かれたんだな」と、身近なメロディをきっかけに、札幌の歴史や町の成り立ちを知り、関心を持ち、郷土を愛する心を育むことにも繋がると考えます。

いずれに致しましても、多くの市民の方々が、地下鉄の接近放送メロディとして「虹と雪のバラード」の継続を望んでおります。
このような市民の声をしっかりと受け止めて頂き、どうか今一度ご検討頂くことを強く要望致しまして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

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