10/4(金)、決算特別委員会(財政局)で「空き家対策としての固定資産税の減免等」について質問と要望をさせて頂きました。
札幌市の空き家所有者が抱える困り事で最も多いのが「取り壊すと固定資産税が高くなる」ことであり、実際に空き家を解体して更地にしてしまうと土地に対する固定資産税がおよそ3倍~4倍になってしまうという現状があります。
そこで、空き家対策の新たな打ち手として「空き家対策としての固定資産税の減免等」を提言させて頂きました。
先行して取り組む自治体では、「空き家が除却され、その跡地が活用されることで、長い目で見ると税収の増加にも繋がっている」等の効果が上がっているとのことです。
<波田質問>
私からは、空き家対策としての固定資産税の減免等についてお伺い致します。
総務省が今年9月25日に発表した2023年度の住宅・土地統計調査(確報)によりますと、住宅総数に占める空き家の割合(空き家率)は、全国平均が13.8%であります。
札幌市の空き家率は、全国平均と同じ13.8%となっておりますが、2018年の調査では11.9%となっており、この5年間で1.9ポイントも増加しております。
この空き家率には、賃貸用や売却用の空き家も含まれており、全ての空き家がいわゆる「問題のある空き家」というわけではございませんが、政令市の中では、大阪市、北九州市、静岡市、岡山市、神戸市に次いで6番目に高い水準となっており、まさに空き家問題は、札幌市をはじめとする大都市においても一段と深刻化している現状にあります。
札幌市が令和元年10月に行った「市民意識調査」の結果によりますと、「空家所有者が空家に関して困っていること」について、「取り壊すと固定資産税が高くなる」と回答した方が最も多く19.4%、次いで「空家の取り壊し費用が足りない」と回答した方が16.1%という結果でございました。
空家の取り壊し費用につきましては、札幌市では「危険空家等除却補助制度」を用意して対応しており、本制度が抱える課題やその改善策について、令和6年3月18日の予算特別委員会で私から質問と要望をさせて頂きました。
そして、それ以上に、最も多くの空家所有者の方が困っているのが「取り壊すと固定資産税が高くなる」という問題であり、やはりこれが早い段階での除却の検討を妨げる大きな要因であるものと認識しております。
実際に、空き家を解体して更地にしてしまうと、『住宅用地に係る課税標準の特例』が適用されなくなってしまい、土地に対する固定資産税がおよそ3倍~4倍になってしまうという現状があります。
こうした現状を踏まえて、国土交通省 住宅局 住宅総合整備課は、令和5年12月13日、各都道府県・指定都市 空き家対策担当部局に対し、事務連絡として、「一定の空き家を除却した場合の固定資産税等に係る負担軽減措置」について情報提供を行いました。
それによりますと、令和4年11月時点で、全国66市町村において、空き家除却後の土地を対象に「固定資産税等の減免」もしくは「除却により増加する固定資産税等の税額相当分の補助金の交付」を行っております。
こうした負担軽減措置による効果として、「地域で問題とされていた特定危険空き家の除却が進んだ」「空き家が除却され、その跡地が活用されることで、長い目で見ると税収の増加にも繋がっている」等の効果が上がっているとのことです。
札幌市においても、「取り壊すと固定資産税が高くなる」ということを理由として、空き家を放置している方に対して、このような負担軽減措置は、早い段階での解体の検討を促す1つの大きな動機付けになるのではと考えるところです。
そこで、質問ですが、空き家除却後の土地を対象とした「固定資産税の減免等」について、空き家対策の新たな打ち手として、札幌市でも検討を行うべきと考えますがご認識をお伺い致します。
<ご答弁>
・固定資産税の減免等を行うにあたっては、公平性やモラルハザード等の問題がある。
・様々な課題があることから、他の政令市とも情報共有をしながら制度の在り方について注視してまいりたい。
<要望>
最後に要望でございますが、課題ばかりに目を向けるのではなく、得られる効果についても注視して頂きたいと思います。
市民意識調査の結果にもありました通り、空家所有者が抱える困り事として最も多かったのが「取り壊すと固定資産税が高くなる」ということでありますから、やはりこの困り事に対して直接的にアプローチすることが、空き家対策としては極めて効果的ではないかと考えます。
固定資産税の減免等に先行して取り組む自治体では、「空き家が除却され、その跡地が活用されることで、長い目で見ると税収の増加にも繋がっている」等の効果が上がっているとのことでありますが、これは例えば、築年数の古い空き家の早期解体を促して、その土地に資産価値のより高い新築の家屋が建てられたとすれば、自治体に入る固定資産税収入が将来に渡って増えるという意味合いかと思います。
具体的な例を挙げますと、住宅金融支援機構の調査では、2023年度の北海道の中古戸建の住宅面積の平均は約128㎡でありますが、床面積128㎡の木造専用住宅において、「新築」と「築50年」の家屋でそれぞれ固定資産税等を試算した場合、新築から3年間は新築減額の特例が適用されるものの、この特例を考慮しなければ、「新築」の家屋に対する固定資産税額および都市計画税額は、「築50年」の家屋と比べて、約4倍にもなるとのことであります。
このことからも、やはり築年数の古い空き家をそのまま放置しておくよりも、早期の解体を促すことで土地が有効に活用され、長い目で見ると税収の増加に繋がることから、札幌市でも空き家対策の新たな打ち手として、ぜひ固定資産税の減免等について引き続きご検討頂くことを要望致しまして質問を終わります。
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