3/13(木)、札幌市議会 予算特別委員会(総務局)で、「指定管理者の公募による指定」について質問しました。
公募でありながら1者しか応募が無い要因の1つとして、選定において「現指定管理者にだけ満点を上回る得点が認められている」という評価方法が、他の事業者の新規参入意欲を著しく妨げているのではないかと指摘させて頂きました。
<波田質問>
「指定管理者の公募による指定」についてお伺い致します。
2/20(木)の代表質問において、「原則通り公募によって指定管理者が指定されている市有施設においても、その6割以上の施設で応募が1者しかなく、さらにその約半数が市の出資団体であるという現状は、健全ではなく、改善が必要ではないか」と私から質問させて頂き、秋元市長からは「公募施設について、制度の趣旨をより適切に反映するためには、複数の応募者があることが望ましいと認識しており、現状を分析の上、必要な見直しを行ってまいりたい。」とのご答弁がありました。
現状を分析するにあたり、まず「公募でありながら、なぜ1者しか応募がないのか」という疑問があります。
1者しか応募がなく、それが出資団体であるとすれば、他に担い手がいないということであり、その受け皿を担うことこそが、出資団体の存在意義であるとの見方もあります。
一方で、一度指定管理者に指定されると、次回以降の選定時に、これまでの管理実績が必要以上に評価されることで、現指定管理者が圧倒的に有利となってしまい、他の事業者の新規参入意欲を著しく妨げている現状があるようにも受け止めております。
例えば、代表質問の中で例に挙げた清田区の「平岡樹芸センター」は、指定管理者制度を導入した当初の平成18年度からの指定に向けた公募には、5者から応募がありましたが、平成22年度以降は20年間、一貫して応募は1者のみで、出資団体である「公益財団法人札幌市公園緑化協会」が指定されております。
令和4年に開催された選定委員会による「平岡樹芸センター」の指定管理者の選定結果によりますと、選定理由として「これまで当該都市公園の指定管理者としての実績があることが評価された」とあります。
評価結果は、①平等利用の確保、②施設の効用発揮等、5つの選定基準で構成され、200点満点となっております。
しかし、この中の「⑤その他」という選定基準では、配点が25点でありながら、現指定管理者の得点は29.99点となっており、「※現指定管理者の『⑤その他』の得点には、管理運営の評価結果による加点又は減点を含むため、基礎配点を超える場合がある。」とのことであります。
このような選定結果は、他の指定管理施設の選定結果においても散見されますが、現指定管理者にだけ満点を上回るような得点が認められるような評価方法や選定基準では、現指定管理者が圧倒的に有利となってしまい、他の事業者の新規参入意欲を著しく妨げるものではないかと受け止めております。
そこで、質問ですが、現指定管理者にだけ満点を上回るような得点が認められ、現指定管理者が圧倒的に有利となってしまう現行の評価方法や選定基準は、他の事業者の新規参入意欲を著しく妨げるものと考えますが、ご認識をお伺い致します。
また、なぜこのような評価方法や選定基準となっているのか、併せてお伺い致します。
<答弁の趣旨>
○指定管理者に、適切な施設管理に対する意欲や緊張感を持ってもらうため、平成26年度から現在の仕組みを導入。
○評価が高ければ加点、低ければ減点されるため、既存の指定管理者には適切な管理に向けたインセンティブが働く想定。
○一方で、指定管理者の応募には複数の応募者があることが望ましいため、この配点により現指定管理者が過度に有利になることがないよう、令和5年度には加点の割合を下げたところ。
〇こうした2つの要素のバランスを考慮した結果と認識しているが、今後も制度が適切に運用されるよう、各施設の状況を注視してまいりたい。
<波田質問>
既存の指定管理者に適切な管理に向けたインセンティブが働くような仕組みは、たしかに重要と考えます。
しかしながら、満点を上回るほどの配点を認めることはやはり行き過ぎであり、公平性を著しく欠くものと受け止めております。
令和5年度には既に配点を見直したとのことでございましたが、配点の見直しによっていくらか改善は為されたものの、依然として現指定管理者には配点を上回る得点が認められている現状にあると伺っております。
このような評価方法や選定基準の在り方を含めて、「公募でありながら1者しか応募が無い」という現状を改善するためには、様々な見直しの余地があるのではないかと考えております。
そこで、質問ですが、指定管理者の公募による指定について、複数の事業者から応募があるという望ましい形にしていくために、今後どのように現状を分析し、必要な見直しを行っていくのかお考えをお伺い致します。
<答弁の趣旨>
○複数の応募がある方が望ましいという委員のお考えについては、私どもも同じように認識。
○1者応募の原因を調べるために指定管理施設のうち1者応募が多い分野を中心に、対話型の市場調査(サウンディング調査)を行う。
〇具体的には、直近で応募があった者、過去に応募をしたが直近では応募を取りやめた者に対して、参入障壁の有無や、制度の見直しを期待する点について、聞き取りを行っていく。
<波田要望>
対話型の市場調査を行うとのご答弁でございました。
平成23年に京都府の外部有識者からなる検討委員会が行った「指定管理者制度の見直しに関する提言」によりますと、公募でありながら1者しか応募が無い現状に対する見直しの具体的な提言として、「募集実施の広報について府ホームページのみならず多様な広報媒体を活用して充実を図る」「募集期間を確保するために期間を延長する」「複数施設の一括募集については合理性があるものを除いて廃止する」「選定委員会の委員の総数や構成を見直して公平性・客観性を担保する」「選考結果として理由と点数のみ公表するのではなく、議事要旨についてもホームページ等で公表して選考過程の見える化を図る」等の提言が行われたとのことであります。
このような提言が示唆する現状の課題等を仮説としながら、札幌市においても具体的な改善に結びつくような効果的な調査を行って頂くことを要望して、本件に関する質問を終わります。
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