10/21(水)、札幌市議会 決算特別委員会(市民文化局)で、SNSやAI・デジタル技術を活用した多様な市民の意見収集について質問と要望を行いました。
近年、一部の声の大きい市民の意見によって、まちづくりや政策形成が大きく左右されている事案も散見され、例えば円山公園でのお花見ジンギスカン禁止や、市内全ての公園での花火禁止については、市の対応への疑問の声や解禁を求める市民の声も数多く寄せられます。
このままでは、いつの日か、多くの市民が楽しみにしている夏の風物詩でもある花火大会や夏祭り、盆踊り大会なども、近隣住民からの苦情などを理由に自粛や中止を求められ、子ども達や市民の楽しみ、日本の良き文化が失われていくのではないかと強く危惧しております。
市に直接苦情を寄せる目の前の市民に対して、丁寧に対応を行うことはもちろん重要ではありますが、それと同時に、その他大勢の声を上げない市民の方がどのような考えを持っているのか、同じように丁寧な意見収集を行うことも極めて重要と考えます。
SNSやAI・デジタル技術を活用して多様な市民意見を収集・分析する「ブロードリスニング」の取り組み等について提言を行いました。
<波田質問>
札幌市では、「新たな市民参加の仕組みづくり」に向けた検討を進めております。
近年、一部の声の大きい市民の意見によって、まちづくりや政策形成が大きく左右されている事案も散見されることから、普段市政に意見を言わない、いわゆる「サイレントマジョリティ」へのアプローチ等により、多様な市民意見を把握し、政策形成に活かす仕組みづくりは極めて重要であり、SNSやAI・デジタル技術の活用もその有力な手法の1つと考えます。
例えば、中央区の円山公園では、2023年春からお花見シーズンの火気使用が禁止され、風物詩とも言えるジンギスカンを毎年楽しみにしていた市民の方々からは、今でも市の対応に対する疑問の声が数多く寄せられます。
近隣住民から煙や臭いに対する苦情があり、ごみの不法投棄や違法駐車などのマナー違反もあったことが主な理由とのことで、もちろんこれらの問題には対策が必要ではありますが、市が2023年に花見客など公園利用者297人を対象に行ったアンケート調査では、花見に対する満足度について、「満足」が147人で49%、「不満」が88人で30%、「どちらでもない」が62人で21%であり、この調査結果をもって、お花見期間中に火気使用を禁止しても、多くの公園利用者が満足していると結論付け、現在に至るまで火気使用の禁止を継続しております。
しかし、既に火気使用が禁止され、誰もジンギスカンをやっていない公園で行われたアンケート調査では、毎年ジンギスカンを楽しみにしていたものの来場を諦めた方々の声は当然反映されにくくなると思います。
また、アンケートで「不満」と回答した理由の中には、「ジンギスカン、バーベキューをしたい」「昔から続く慣例行事を復活させてほしい」との声も相当数見受けられるほか、SNS上でも同様の声が多く見られました。
これはあくまで一例ですが、実施のタイミングや現地限定といった調査手法では、対象者に偏りが生じ、サイレントマジョリティの声を含めた市民の真意を拾いきれない限界を示しているものと思います。
政策決定に直結する市民意見の収集においては、特定の利用者に偏ることなく、潜在的なニーズや多様な視点を汲み取ることができる調査手法や設問設計の工夫が不可欠であると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市が取り組む「新たな市民参加の仕組みづくり」において、特定の層に偏らないよう、サイレントマジョリティを含めた多様な市民意見をどのように把握していくのか、お伺い致します。
<答弁の趣旨>
・これまでの公募を中心とした手法では、市政への関心が高い特定の層に回答が偏りがちであり、普段意見を述べる機会の少ない、いわゆるサイレントマジョリティの意向を十分に把握することが困難であったと認識している。
・こうした課題に対応するため、新たな仕組みにおいては、無作為抽出によるアンケートやワークショップの実施により、幅広い層へ参加のきっかけを提供する。現役世代や子育て世代が日常的に利用する公式ライン等のデジタルツールを活用し、参加へのハードルを引き下げる取り組みを進めてまいる。
・このように、対象者の特性に応じた複数の参加手法を組み合わせることにより、偏りのない多様な市民意見の把握に努め、政策形成の検討に生かしてまいりたい。
<波田質問>
最近では、大阪府や渋谷区、横浜市などで、AI等のデジタル技術を活用して住民の意見を収集・分析する「ブロードリスニング」の実証に取り組む動きがあります。
これは、SNSやレビューサイト、ブログなど様々なデータ元から意見を収集し、AIによる分析・可視化を行うもので、多忙な現役世代など、従来のパブリックコメント等では声を上げにくい層の潜在的な声を拾うことで、意見の偏りを補う狙いがあります。
例えば大阪府では、大阪公立大学や民間企業と連携し、XやInstagram等のSNSやプラットフォームに投稿された245件の意見を集約する実証を行った他、渋谷区では、令和6年度区民意識調査における自由記述欄の回答6,037件を対象に、民間企業と協力してAIを用いた分析を行い、自動要約やトピックごとの分類、世代・地域別の傾向分析などを通じて、住民の声の構造や潜在的課題を的確に把握することができたとのことであります。
札幌市におきましても、偏りのない多様な市民意見を政策形成に活かしていくためには、こうした先進的なデジタル技術の導入を前向きに検討していくべきと考えます。
そこで、質問ですが、多忙な現役世代やサイレントマジョリティなど、従来の手法では声を上げにくい層の潜在的なニーズを捉えるため、ブロードリスニングをはじめとするデジタルの先端技術を活用した市民意見の把握について、どのように取り組んでいくつもりかお伺い致します。
<答弁の趣旨>
・対面による意見交換など、これまでの市民参加の手法においては、会場への移動や、決まった時間を拘束といった、心理的・時間的なハードルが課題であったことから、これらを軽減する手段として、デジタル技術の活用は非常に有効であると意識している。
・昨年度実施した参加型プラットフォームの試験運用では、時間や場所を問わず手軽に参加できる効果を確認できた一方で、深い対話や発展のしにくさ、操作面での課題などが明らかになったところ。
・デジタル技術の活用は、多忙な現役世代などの潜在的なニーズを汲み取る有効な手段の1つであることから、実証実験で得られた課題を研究するとともに、他都市における先進的な取り組みを調査し、札幌市にとってより良いあり方を検討してまいる。
<波田要望>
今年3月の札幌市議会 予算特別委員会で私から、札幌市内の全ての公園で禁止されている花火について、他都市のように手持ち花火に限って認める等、対応の検討を求めましたが、建設局からは「市内の公園での花火に関し、『音がうるさい』『ゴミが散らかっている』等の苦情はあるが、花火ができないことについてご意見やご要望が寄せられることはほとんどない。」とのご答弁がございました。
一方で、札幌市のホームページに掲載されている「よくあるご質問」の中には、「札幌市内の公園等で、花火や火気の使用は出来ますか」という項目がありますが、まさにこの「よくあるご質問」そのものが、「公園で花火をしたい」という市民の潜在的なニーズであるとも捉えられるわけであります。
市に直接苦情を寄せる目の前の市民に対して、丁寧に対応を行うことはもちろん重要ではありますが、それと同時に、その他大勢の声を上げない市民の方がどのような考えを持っているのか、同じように丁寧な意見収集を行うことも極めて重要と考えます。
このままでは、いつの日か、多くの市民が楽しみにしている夏の風物詩でもある花火大会や夏祭り、盆踊り大会なども、近隣住民からの苦情などを理由に自粛や中止を求められ、子ども達や市民の楽しみ、日本の良き文化が失われていくのではないかと強く危惧しております。
ブロードリスニングなど、他都市での取り組みも参考としながら、SNSやAI・デジタル技術を活用した多様な市民の意見収集について、引き続き検討を重ねて頂きますよう強く要望して質問を終わります。














