10/28(水)、札幌市議会 第一部決算特別委員会で「討論・採決」を行いました。
令和7年度決算を「認定」する立場から、これまでの議会で取り上げてきた課題や提言について述べさせて頂きました。
<波田討論>
私は、ただいまから、第一部決算特別委員会に付託されました、令和7年度各会計決算について、これを「認定」する立場で討論を行います。
一般会計決算について、歳入面においては、市税決算額が3,860億円と過去最高額となり、歳入決算額は前年度比1.8%増の1兆2,623億円となったところであります。
歳出面においては、歳出決算額は前年度比1.6%増の1兆2,502億円となり、実質収支40億円のうち、20億円を財政調整基金に積み立て、残余は令和8年度予算に繰り越したということです。
健全化判断比率は、政令市平均より低い状況を維持している一方で、財政調整基金の取り崩し額が過去最大の81億円となり、令和6年度末は283億円であった残高が、令和7年度末には224億円と大きく減少しております。
5年後には全ての活用可能な基金が枯渇することも見込まれておりますことから、今後も、日本維新の会が掲げる「徹底した行財政改革」を着実に実行することで財源を生み出し、「子育て支援」や「教育の無償化」など、現役世代への配分にもよりいっそう取り組んで頂くことを強く求めておきます。
それでは、本委員会において私が取り上げて参りました課題や提言について、順次、局別に、述べさせていただきます。
はじめに、財政局です。
深刻さを増す空き家問題について、札幌市の空き家所有者が抱える困り事で最も多いのが「取り壊すと固定資産税が高くなる」ことであり、実際に空き家を解体して更地にしてしまうと土地に対する固定資産税がおよそ3倍~4倍になってしまうという現状があります。
千葉市や静岡市で既に取り組まれている「空き家対策としての固定資産税の減免」や、京都市で新たに取り組みが始まる「活用されていない空き家に対する新たな課税」等、空き家の早期解体や利活用を促すために、他の政令市で取り組まれているような「空き家対策としての税制上の対応」について、札幌市でも早急に検討を進めるよう求めておきます。
次に、まちづくり政策局です。
道内の若者の道外への転出について、道外大学への進学率は34.4%、道外企業への就職率は39.1%で、特に東京圏への流出が多い現状にあります。
一方で、北海道出身者の約8割が、「地元で働きたい」と回答した調査結果もあり、仮に、本当は地元での進学や就職を希望しているにも関わらず、その選択肢の少なさや給料・待遇などを理由として、やむを得ず道外に転出せざるを得ない若者が多くいるとすれば、若者や北海道経済にとって極めて不本意な現状にあると考えます。
東京一極集中の是正と多極分散型経済圏の形成を目指す「副首都」指定を見据えて、若者が東京へ出ていかなくても、地元で学び、仕事をして、地元にいても夢や希望を叶えることができる経済圏の形成に向けて、大学誘致や、東京本社企業のバックアップ拠点としての企業誘致について、取り組みを加速して頂くよう求めておきます。
路面電車の延伸の検討は、2022年に「延伸を行うことは極めて困難」と結論付けられましたが、全国に19ある路面電車のうち、JRや私鉄に接続していないのは札幌市電のみであり、一大交通結節点である札幌駅に、路面電車が接続されていない現状は、多くの市民や観光客に多大なる不便を強いており、今でも延伸を求める市民の声が数多く寄せられます。
札幌駅までの延伸のみに限定した場合には、課題も限定的で対応の余地もあり、整備費用や収支採算性の課題については、副首都指定を見据えた交通網整備に係る国からの財政上の措置も期待されることから、今こそ早急な検討再開と早期実現を強く求めておきます。
JR北海道では札幌駅の改修工事に伴い、現在は2か所ある改札外トイレを2028年度中に廃止する方針を示し、商業施設のトイレを利用するよう求めていますが、公衆性の低い商業施設のトイレは場所もわかりにくく、駅から距離もあり、営業時間外は利用できないことに加え、量的にも十分対応できるのか等、市民に不安が広がっています。
一大交通結節点である札幌駅は、JRの利用者のみに留まらず、乗り換えや買い物、待ち合わせ等の利用者も多く、公共性が高い場所でもあり、
全国的には改札外トイレは減少傾向であるものの、一大交通結節点である東京駅や大阪駅、名古屋駅、福岡の博多駅などでは改札外トイレが設置されていることから、道都 札幌の玄関口である札幌駅についても、誰もがいつでも気軽に利用できる改札外トイレの存続は、必要不可欠と考えます。
第一義的にはJR北海道の問題ではありますが、札幌市が推進する「札幌駅交流拠点まちづくり計画」の根幹に関わる極めて重要な問題であると強く申し上げておきます。
次に、総務局です。
「大和ハウスプレミストドーム」を管理運営する株式会社札幌ドームの決算は、2024年3月期の約6億5,000万円の赤字から一転し、2026年3月期は1億5,400万円の黒字となっておりますが、「札幌ドーム活用促進費」や「札幌ドームアマチュア大会利用料金減免補填補助金」等、イベント主催者への補助という形で札幌市からの公金支出はこの2年間で年々大幅に増額されており、このような手法により株式会社札幌ドームの経営状況がV字回復しているように見せることは、市民の皆さんに対して誠実ではないと、これまでも指摘を重ねて参りました。
さらに、年間2億5,000万円とされるネーミングライツ収入も、同社の黒字化の大きな要因ですが、「カナモトホール」等、他の指定管理施設のネーミングライツは全て所有者である札幌市の収入となっているのに対し、札幌ドームのネーミングライツだけが指定管理者である株式会社札幌ドームの収入となっているとのことであります。
今年7月には、外部有識者で構成される行政評価委員会からも、事業の必要性や民間代替性の観点から、指定管理者の公募化を含む指摘があったとのことでありますので、これらの指摘を踏まえつつ、かねてより私からも指摘を重ねて参りました通り、第三セクターである株式会社札幌ドームありきの、非公募による指定ではなく、指定管理者の公募や民間活力を最大限に活用する新たな管理運営手法の導入を含めて、引き続き検討頂くよう求めておきます。
また、行政評価委員会からは、株式会社札幌ドームだけではなく、出資団体の現状と総括的な課題として、「他⾃治体での委託事例があるにもかかわらず、⼀部の施設において⾮公募‧随意契約を継続している市の姿勢は不適切」という指摘や、「団体の特定のポストに市退職者が再就職する慣⾏が常態化している」という、いわゆる「天下り」を問題視する指摘もあります。
これらの改革や見直しを実行することなくして、「札幌市の財政状況は厳しい」「財源が無い」と言われても、市民の理解や納得は到底得られないものと思いますので、実効性を確保しながら、「聖域なき見直し」を断行して頂きますよう強く求めておきます。
次に、市民文化局です。
近年、一部の声の大きい市民の意見によって、まちづくりや政策形成が大きく左右されている事案も散見され、例えば円山公園でのお花見ジンギスカン禁止や、市内全ての公園での花火禁止については、市の対応への疑問の声や解禁を求める市民の声も数多く寄せられます。
市に直接苦情を寄せる目の前の市民に対して、丁寧に対応を行うことはもちろん重要ではありますが、それと同時に、その他大勢の声を上げない市民の方がどのような考えを持っているのか、同じように丁寧な意見収集を行うことも極めて重要と考えます。
他都市で取り組まれているSNSやAI・デジタル技術を活用して多様な市民意見を収集・分析する「ブロードリスニング」の取り組みも参考としながら、一部の市民意見に偏らない「新たな市民参加の仕組みづくり」の検討を求めておきます。
次に、子ども未来局です。
共働きやひとり親家庭において、保育園は朝7時から子どもを預けて出勤できますが、小学校は8時すぎまで校門が開かないため、朝の居場所がなくなってしまう「朝の小1の壁」が全国的に問題となっており、札幌市の調査でも「子どもの朝の居場所に不安を感じる方」や「何らかの居場所の利用を希望している方」が一定数いらっしゃることが明らかになっております。
川崎市など他の政令市で取り組まれているような、小学校を午前7時などに開門し、学校図書館などにおいて地域住民やNPO等が見守りを行う「子どもの朝の居場所づくり」について、札幌市でも早急に取り組みを始めて頂くよう強く求めておきます。
認可保育施設の保育料は、国の制度により3歳〜5歳児は原則無償となっていますが、0歳〜2歳児は無償化の対象が住民税非課税世帯に限られ、札幌市内の共働きの課税世帯では、所得に応じて少ない方でも毎月10,000円以上、多い方では毎月75,000円以上の保育料を負担している現状にあります。
保育料無償化は子育て世帯の経済的負担軽減のみならず、社会全体の労働力確保にも繋がる重要な施策であり、大阪市では、今年9月から政令市で初めて認可保育施設を利用するすべての0歳〜2歳児の保育料無償化を既に実現しています。
札幌市の合計特殊出生率は、令和6年は0.90と過去最低を更新し、政令市の中でも最低水準となっており、本来であれば、札幌市は他のどの政令市よりも、このような子育て支援や少子化対策に、先陣を切って重点的に取り組まなければならない危機的現状にありますことから、「0歳~2歳児の保育料無償化」を早急に実現して頂くよう求めておきます。
子どもの急な発熱や通院、保護者の急な用事や休息など、突発的かつ一時的な保育のニーズは高く、ベビーシッターもその有力な受け皿の1つですが、札幌市の調査では「ベビーシッターを定期的に利用したい」と回答した方が7.8%であるのに対し、実際に利用している方は1%以下に留まっており、利用料金(1時間2,500円程度)の経済的な負担が大きいこともその要因の1つと考えます。
東京都では、未就学児1人あたり年間144時間まで助成する「ベビーシッター利用支援事業」を実施しており、このような支援によって困った時に助けを求める先の選択肢としてベビーシッターの利用が広がることで、子育て支援の充実や深刻さを増す少子化対策にもつながることから、札幌市でも早急に実施を検討頂くよう求めておきます。
最後に、教育委員会です。
学校給食費の未納額が昨年度1億円を超え、回収できなかった給食費は最終的には市の税金で穴埋めされており、公平性を著しく欠く現状にあります。
弁護士事務所に債権回収を委託し、高額の滞納者には法的措置をとっており、697万円の委託費で4,270万円を回収できたとのことですが、本来は回収に要した費用も上乗せして未納者に請求するべきものでありますことから、他の政令市のように給食費未納者に延滞金や遅延損害金を課すことの検討を求めておきます。
また、各家庭に毎年郵送される「納付額決定通知書」の郵送料や口座振替手数料、未納者への年3回の封書による催告費用など、昨年度の給食費徴収には7,000万円以上が支出されておりますが、給食費無償化によってこれらの費用も一切不要となることから、大阪市や福岡市のように中学校も含む学校給食費の完全無償化に一刻も早く踏み切るよう求めておきます。
以上が、本委員会で私が取り上げて参りました課題や提言の主な内容であります。
市長をはじめ、市理事者におかれましては、これらの提言を今後の業務執行に反映して頂きますことを強く求めまして、私の討論を終わります。














